☆お見舞いに来てください☆
話に聞いてた通り、三島先生は大層ご立腹みたい。
明日帰国する旦那さんのことをやっぱり良い感じには思ってはないようだ。
「もうね、私が日本に来る前に散々話し合ってきたのよ?それでも結局話は平行線。もう遅いのよ」
「…はぁ……」
私は圧倒され、気の抜けた返事を返す。
こういう場合はどうしたらいいんだろう?
同調するべき?それとも前向きにアドバイスすべき?
「あ、あの、一つ聞いていいですか?」
「はい、どうぞ」
「結局別れたい理由は何だったんですか?」
そういえば肝心なことを聞いていなかった。
そもそもの原因が分からないのだ。
だけど私がじっと見つめると、三島先生は一瞬黙ってしまった。
急に会話が途切れ、「それは…」と言いながら珍しく何かを深く考えている様子。
「…まぁ、あれよ。よく言う性格の不一致というやつかしら?」
どことなく歯切れの悪い言い方に少し疑問は感じたが、私は「そうですか」と頷いた。
「たく、秀も秀よ。何で旦那の見方なんかについちゃうかな。せっかく私が覚悟を決めたっていうのに!」
彼女が飲み干したオレンジジュースを少し乱暴にドンッと置いた。
けど私はその音ではなく、先生の言い方に少しドキッとした。
秀……
当たり前に呼ばれた名前に一瞬のざわつきを感じたから。