☆お見舞いに来てください☆

「後藤ちゃん、まだ秀に対して少し臆病なとこがあるでしょ?」

「なっ……」

「言いたいことちゃんと言えてる?」


何でそんなことっ。と口から吐き出しそうになって彼女を凝視する。
ズバリなとこを指摘されて、じわりじわりと追い詰められている気にもなる。


「嫌なことがあったらちゃんと言わなきゃ駄目よ。ま、離婚で揉めてる私に言われても説得力はないと思うけど」

「ほ、本当ですよっ」

「ふふ」


三島先生は笑いつつ、どこか自称気味に視線を落とした。


「少しお節介なところもあるけど秀ならちゃんと受け止めてくれるわ。そうね、今思うとあの無駄に優しい性格は嫌いじゃないから。ふとした瞬間寄りかかりたくなるのよね」

「え?」

「今となってはあの優しさに救われてた部分はあったのかなって。離れてみてよく分かるのよ」

「………」


先生は何故か私と目線を合わせようとしなかった。
どことなく複雑そうな様子で再びフォークにパスタを巻き始めた。
それはほんの少しの間だったけれど、そんな姿を目の当たりにして当然だけど胸がざわついた。

どうしてそんな顔するの?
何でそんなことを口にしたの?

切なさを含んだ表情は私の心をやっぱりキリキリとさせる。
急に嫌な不安が押し寄せた。
まさか秀先生に未練でもあるの?
一緒に仕事をするうちに気持ちが戻ってきてしまったのだろうか?

この時初めて思った。
人の心の中を見てみたいと。
三島先生の本心を覗き見たいと思ってしまった。
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