☆お見舞いに来てください☆
「どうして謝るの?」
「だって私のせいで…」
しゅんと項垂れる私とは逆にやっぱり先生は楽しそうに微笑んだ。
飲んでいた味噌汁を置くと、嬉しそうなままストレートな言葉を投げ落とす。
「別に謝ることじゃないよ。元はと言えば俺を板挟みにするあの二人が悪い。言いたいことがあれば俺を通さずとも二人の間で話せばいいんだから」
「いや、でも……」
「それにあんな時間に電話をかけてくる三島先生だって非常識でしょ。仕事ならまだしもあれは完全にプライベートだったんだから。俺にだって邪魔されたくないプライベートはある」
真っ直ぐ見つめられ、顔が赤らんでいくのか分かる。
それはもちろん私のことだよね?
「だから未来ちゃんが気に悩むことはないよ。むしろ俺は嬉しかった。あんな可愛い未来ちゃんを見せられて。あんな風に求められて嫌な気持ちになるわけないでしょ」
クスリ、笑われてますます顔が熱くなった。
昨日の自分がとった行動を思い返すと恥ずかしくて先生の目を見られない。
「大胆な未来ちゃんも可愛いよね。色んな表情をもっと見せてよ」
「……」
もう言い返す言葉が見つからない。
結局私は先生に弄られたまま何も返せなかった。
朝食もそこそこに、甘い空気の中先生を玄関まで見送ると、今しがたほどかれたシュシュを真っ赤になった顔で握りしめる。
「暫くはあまり首は出さない方がいいかもね。俺は構わないけど未来ちゃんの仕事がやりにくくなっても困るから」
なんていうか意地悪だ。
自分が昨日散々付けた癖に、笑顔でそんなことを言う先生をむしろ憎らしくも思う。
こういうのを大人の対応というのだろうか?
昨日の溶けるような交わりを思いだし、私は付けられた痕を困惑する手でそっと隠す。