☆お見舞いに来てください☆

「車で来てるんだ」


そう言われ、駐車場まで連れて行かれると先生の車に乗り込んだ。
助手席のドアを締めた後、先生も運転席に座りバタンとドアを閉める。

急に静になった空間で少しドキドキしたけれど、先生はすぐにこちらに向き、私の頭を優しく撫でた。


「少しドライブしながら話そうか?」

「……はい」


きっとちゃんと話す機会をつくってくれるんだと思った。
そして私もそうしたいと思ってたから嬉しかった。
今なら何でも聞けるような気がした。
自分の素直な気持ちを話せると思ったから。


「三島先生のことだけど…ごめん。俺としたことが油断した。まさかあんなこといい出すなんて思わなかったから」


ハンドルを握りながら先生が言う。
とても意外そうな顔だった。
私は一瞬そんな先生を見たものの、すぐにまた前を向き顔を横に2、3度振った。


「いえ…、別に先生が謝ることじゃ…。正直ビックリはしましたけど」


そして疑問に思った。
あそこまで追い詰められることとは何だろうか?とか。
彼女に対しての謎が大きく膨らんだのだ。
たぶん、離婚で揉めてるだけが原因じゃない。
直感的にそう思う部分があったから。


「あの、三島先生ってとこか体の具合が悪いんですか?」


真っ先に思ったことはそれだった。
その質問に一瞬車内の空気が緊迫したものに変わった気がしたけれど、すぐにそれは先生の言葉によってかき消された。
< 384 / 446 >

この作品をシェア

pagetop