☆お見舞いに来てください☆
「実際投薬中の5年は妊娠は避けた方がいいからね。望ましくないと思う。俺も医師としては旦那さんと同じ意見だから。彼女もそれは十分に分かってるはずなんだけど、気持ちが追い付かないんだと思うよ」
「………」
これは思ってたより深刻だ。
何も分からない私なんかが気軽に意見していい問題じゃない。
そしてあんなに強くテキパキ仕事をしていた先生がどうしてあんな風にナーバスになるのかやっと分かった気がした。
きっと無理してた。
気丈に振る舞いつつ、いつもどこか不安定だったんだ。
「……でも、妊娠はできるんですよね?そう言えば昔、三月さんの出産の時にチラッと何かの本で読んだことがあります。癌を患ったとしても妊娠出産は可能だって」
「確かにそうだね。昔と違って今は医療も進歩してるし、もちろんそれは可能だよ。……ただ、三島先生の場合はちょっとね。色々状態が思わしくないんだよ。現に今薬の影響で生理も止まってるみたいだから」
それはつまり卵巣機能が低下していることを意味してるらしい。
そして三島先生の年齢もあり、あまり望ましい現状じゃないというから悲しい気持ちになった。
「でも、この5年の治療を乗り越えれば少しは希望も……」
「……うん、きっと三島先生もそう思ってるはずだよ。だから俺のところに相談に来たんだよ。うちの病院は不妊治療にも力をいれてるし、それに三島先生は以前うちで働いてた時、何かあった時のために自分の卵子を凍結保存していたからね。
治療後それを使えば可能性も少しは高くなるとは思うけど」