☆お見舞いに来てください☆
「…せんせ……」
「悪いけどもういいかな?これから彼女と約束があるんだ。これ以上待たせたら悪いから」
「……っ、やっと、やっと私にもチャンスが回ってきたと思ったのに…」
「……うん、でも俺じゃなくてもきっと水川さんならまたいくらでもチャンスはあると思うから。君は人当たりもいいし仕事に対しての姿勢もちゃんとしてる。俺よりもっといい人に巡り会えるよ」
「でも私は……」
「ごめん、上司として君の仕事ぶりには期待してる。けどそれ以上の感情はない。これからもこの病院の為に頑張って貰えたら嬉しいよ」
「…ぅ……」
その後すすり泣く声が聞こえたが、すぐにパタパタと足音が遠ざかっていくのが分かった。
それが水川さんのものなんだとすぐに分かりホッとした。
諦めてくれたんだ…
思わずその場でしゃがみこんでしまいそうだったけれど、寸前の所でそれを止めた。
だって今度は別の意味でドキッと身構えることになったから。
残っていた足音がこちらに向かう気配を感じ、副院長室の扉が開く音がした。