☆お見舞いに来てください☆
あの時向けられた父の台詞は心の傷になっている。
ナイフでえぐられたような強い痛みだった為、今も時々疼くときがある。
「だからでしょうか、父に言われたことがまるで呪いのようにいつも私を蝕んできました。私は幸せになんてなれないんだって言われてるみたいで」
あの時、私が泣いて行かないでと行っても父は私の方を見向きもしなかった。言うだけ言って私を切り捨てた。
きっと初めからそこには愛情なんてものは無かったんだと思う。
だから余計悲しかった。
たぶんこの時、家族に対しての希望や期待を粉々に壊されてしまったんだ。
「……それからは家族の愛情とかよく分からなくなっちゃって、今までの恋愛もどこかで空回りばかりで、上手くいかなくなってしまって」
きっと本気で相手のことを信じられなかったのが原因だ。
幸せなのは最初だけ。
永遠には続かないんだと、心のどこかでセーブしてた。
今までの恋愛がいつもどこか受け身だったのもそのせいだ。
自分からのめり込み本気で心を許せた人はいなかったんじゃないのかな?
「だから…ごめんなさい。先生からのプロポーズもすぐに返事ができなくて、答えが出ませんでした」
好きなのに、大好きなのに。
また一粒瞳から生ぬるい涙がこぼれ落ちた。
それは先生の持つハンカチに吸い込まれ、染みになって消えていく。
だけど彼は微動だにしなかった。