あの日ぼくらが信じた物
「風向きに関係なく最良の火力が得られるこれが最高なんだよ。腰も疲れないしな。これで鈴木さんちに差を付けられる」


「父ちゃん。昔取った杵柄ね、さすがだわ」


 傍でぼくら父子の様子を見守っていた母は、少し頬を染めて父を見詰め直した。

 普段はなんだかんだと文句ばかり言っている母ちゃんだけど、結局は父ちゃんの事が好きなんだ。

 ぼくはそんな夫婦を見て、子供ながらに胸を撫で下ろしていた。



その夜───────



  ガササッガサッ バチバチバチッ バチチッ



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