あの日ぼくらが信じた物
 みっちゃんは残り火に火照ったのか今の台詞が効いたのか、真っ赤な顔で言う。


「私も。大好きなあきらくんと一緒に来れて良かった」


「みっちゃん。上に登ってみようよ。

 ぼく達、ちょっと行ってくるね?」


 親達にそう断ってぼくらは2人で坂を登った。ぼくらがテントを張った場所の上にも何ヵ所か同じような空き地が有る。

 水場から遠い為、そこにテントは張られていなかったので、ぼくらはそれをいいことに、キャンプファイアーでポカポカになった身体を冷ますことにした。


「凄い星だね」


「ほんと、素敵ね」


 キャンプ場の頂上に近いそこは空が広く、満天の星がそれこそ手の届きそうな所に輝いていた。


「ロ、ロマンチックって言うんだよね。こういうの」


< 108 / 236 >

この作品をシェア

pagetop