あの日ぼくらが信じた物
次の日、ぼくらは近くの山へ登りに行った。一応ふもとには広い登山道のような物が有って、木で階段みたいに作ってあるから登り易かったんだけど……。
いざ登り始めると途端に道が狭くなり、人がすれ違うのもやっとになってしまった。
「光代。大丈夫か?」
まだ背の順に並ぶと前から数えた方が早いみっちゃんが、またぼくらから遅れ始めたので、みっちゃんパパが心配して声を掛ける。
「うん、平気。余りに景色が素晴らしかったから」
眼下に広がっている湾の景色に見入っていたみっちゃんは、少し気の抜けたような顔をして振り向く。その表情は、絶景に心を奪われたかのように虚ろで、ほんのりと紅潮している。
「うわっほんとだ。父ちゃん、母ちゃん! 見て見て!」
いざ登り始めると途端に道が狭くなり、人がすれ違うのもやっとになってしまった。
「光代。大丈夫か?」
まだ背の順に並ぶと前から数えた方が早いみっちゃんが、またぼくらから遅れ始めたので、みっちゃんパパが心配して声を掛ける。
「うん、平気。余りに景色が素晴らしかったから」
眼下に広がっている湾の景色に見入っていたみっちゃんは、少し気の抜けたような顔をして振り向く。その表情は、絶景に心を奪われたかのように虚ろで、ほんのりと紅潮している。
「うわっほんとだ。父ちゃん、母ちゃん! 見て見て!」