あの日ぼくらが信じた物
「……です。………ます」
声が小さくてそれしか聞き取れなかった。転校当時のみっちゃんは、背も小さければ声も小さかったんだ。
その頃のみっちゃんはどこか儚げで、それこそ生命力の欠片も感じられなかったけど、今の彼女は生き生きしていて……病気だなんて言われても、にわかには信じられない。
「いやだよ、みっちゃんが死んじゃうなんて。ぼく耐えられないよ」
今まで渇れたようだったぼくの涙腺は、思い出したように涙を溢れさせる。みっちゃんとの楽しかった思い出のページをめくる度、それは後から後から泉のように湧き出した。
「みっちゃん、やだよぉ! 可哀想に、もっともっと生きたいだろうに!」
今日、恐いほど綺麗だった彼女はこのことをぼくに伝えようとしていたんだ。みっちゃんはとっくに『死』への覚悟を決めていたんだ!
声が小さくてそれしか聞き取れなかった。転校当時のみっちゃんは、背も小さければ声も小さかったんだ。
その頃のみっちゃんはどこか儚げで、それこそ生命力の欠片も感じられなかったけど、今の彼女は生き生きしていて……病気だなんて言われても、にわかには信じられない。
「いやだよ、みっちゃんが死んじゃうなんて。ぼく耐えられないよ」
今まで渇れたようだったぼくの涙腺は、思い出したように涙を溢れさせる。みっちゃんとの楽しかった思い出のページをめくる度、それは後から後から泉のように湧き出した。
「みっちゃん、やだよぉ! 可哀想に、もっともっと生きたいだろうに!」
今日、恐いほど綺麗だった彼女はこのことをぼくに伝えようとしていたんだ。みっちゃんはとっくに『死』への覚悟を決めていたんだ!