あの日ぼくらが信じた物
「解った! んんむむ。神社神社いつもの神社」


「帰りたい。もと来た神社に戻りたい」



  ピカァァァアッ



「ぅおっ、うおわぁぁぁぁあ」「きゃぁぁぁぁぁあ」


 2人は慌てていつもの神社へと跳び帰り、互いの小遣いを出し合って虫除けスプレーや蚊取り線香、殺虫剤や網の付いた帽子等の装備を買い込んだ。


「またみっちゃんの習い事が無い日に試してみよう!」


「うん。でも私、お茶と書道はやめたの。あきらくんと少しでも多くの時間を共有したいから」


 ぼくはみっちゃんの言葉を聞いて目頭が熱くなったんだけど、一生懸命生きようとしているみっちゃんに失礼な気がして、涙を出すのは堪えたんだ。


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