あの日ぼくらが信じた物
 それから神社のお社に隠れて着替えをしたぼくらは、あの石を取り出して2人の間に置いた。


「南の島、南海の楽園……」


「綺麗なお花、灼熱の太陽、美しい鳥や動物が見たい……」



  ピカァァァァァアッ



「ォヮァァアア」「キャァァァァァア」



そして彼の地───────



 ぼくらは再びここに降り立った。前に来た場所とは少し雰囲気が違うけど、2人が望んだ条件の場所には違いない。



  ブブブゥゥゥン



 すると早速、真っ黒な巨大蚊達が襲来した。


「うわっ! 来たっ!」


「あきらくんっ! これをっ!」


 みっちゃんが殺虫剤のスプレーを投げて寄越すのを横っ跳びざまに受け取り、ぼくは奴ら目掛けて噴射した。



  ブッシュゥゥゥゥッ!



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