あの日ぼくらが信じた物
翌日───────



「あきらくん。今度はここに行かない?」


 みっちゃんが持ってきたのは天空を見事に彩るオーロラの写真。


「ここは寒いんじゃないか? 大丈夫?」


「平気よ! それとその前に寄りたい所が有るの、ここ」


 その風景には見覚えが有った。みっちゃんパパが撮影したカナダの風景だ。


「向こうの友達にも連絡して、防寒着とかは揃えて貰えることになってるの」


「みっちゃんが育った所に行けるのか。凄く楽しみだよ」


 バンクーバー在留当時の友達とエアメールのやり取りをしていたみっちゃんは以前、オーロラを見たいと手紙で伝えていた。

何度にも渡るやり取りで、その前にカナダに寄ってくれれば、防寒着その他は用意するとの心強い後ろ楯を得ていたみっちゃんは、ぼくにこの計画を持ち掛けたんだ。


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