あの日ぼくらが信じた物
 その水音だけで、ぼくの頭はまだ見ぬみっちゃんの裸で溢れ返った。

ムクッと来てカチコチになるのは当然の成り行きだったんだ。



  キュッ



 そして水音が止んだ。



  ゴクッ



 ぼくは固唾カタズを飲んでドアを凝視する。

すると頭をタオルで巻き、身体にバスタオルを纏ったみっちゃんが、モジモジしながら現れた。


「タオルの幅が狭いのよ」


 なるほどみっちゃんの格好は、チューブトップの超ミニワンピースのようになっている。


「みみみみみっ」

「ベッドルームは奥よ、優しくしてね」


 興奮の極致に達し、みっちゃんに飛び掛かろうとしたぼくをやんわりエスコートする彼女。

嗚呼、立場が逆だよ。


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