あの日ぼくらが信じた物
「あっ! こらっ! 止しなさいっ!」


 みっちゃんママがダンディーを叱り付けている。みっちゃんママの足を抱えて、なぜか盛んに腰を振っているダンディーが居た。


「ダンディー可笑しい! ねぇママ。オチンチンがビローンて出てるわっ?」


 先の尖ったソーセージのようなそれを見ても、ぼくらは只『面白い』としか思わなかったのに……。


「止しなさいって言ってるでしょ!」ギャゥンッ!


 普段怒った声なんか聞かせた事が無い、みっちゃんママの怒鳴り声にぼくらはビビった。蹴られたダンディーは隅っこで小さくなっている。


「ああ全く! 汚れちゃったわ? このバカ犬っ!」


 みっちゃんママのジーパンには薄黄色い膿が付いていて、それにことさら腹を立ててるみたいだった。


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