あの日ぼくらが信じた物
 でもその時ぼくは、みっちゃんに対していけない感情をいだいてしまった罪悪感に苛まれていた。彼女に心配して貰えるような男じゃ無いし、彼女と同じ場所に居る資格すら無いと思えたんだ。



そして夜───────



 結局それからその日は彼女とひと言も話さずに過ぎてしまった。


「みっちゃん、凄く寂しそうだったな」


 ぽつりと呟いた言葉は余計に罪悪感を煽った。汚い目でみっちゃんを見た挙げ句に、そんな思いまでさせてしまって!


「ぼくはなんて駄目な男なんだ!」


 明日は必ず謝ろうと誓って眠りに就いた。

 ……でもその翌朝、いつもは先に声を掛けてくれるみっちゃんが、ぼくをただ遠巻きに見ているだけだったんだ。


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