あの日ぼくらが信じた物
「ただいま母ちゃん。今日は学校で大恥かいちゃったよ、でさ……」
家に帰るとまっ先に母に報告する。洗濯物をたたんでいた母は、その手を止めると顔をしかめた。
「宿題、机の上に忘れてったでしょ、あきら。
あれほど『忘れ物無いの?』って確認したのに!」
「そんなことより聞いてよ! カラスがさぁ……」
「子供の本分は勉強でしょ? それを『そんなこと』呼ばわりするような人の話は聞けません」
そう言うと母はまた、洗濯物を取り込みに2階の物干し場へ上がって行ってしまう。ぼくはうっかり母の逆鱗ゲキリンに触れてしまったようだ。
「ごめんなさい! でも親子のコミュニケーションも大事じゃないのぉ?」
聞こえよがしにガナりながらランドセルを抱え、ぼくは階段を登った。
家に帰るとまっ先に母に報告する。洗濯物をたたんでいた母は、その手を止めると顔をしかめた。
「宿題、机の上に忘れてったでしょ、あきら。
あれほど『忘れ物無いの?』って確認したのに!」
「そんなことより聞いてよ! カラスがさぁ……」
「子供の本分は勉強でしょ? それを『そんなこと』呼ばわりするような人の話は聞けません」
そう言うと母はまた、洗濯物を取り込みに2階の物干し場へ上がって行ってしまう。ぼくはうっかり母の逆鱗ゲキリンに触れてしまったようだ。
「ごめんなさい! でも親子のコミュニケーションも大事じゃないのぉ?」
聞こえよがしにガナりながらランドセルを抱え、ぼくは階段を登った。