あの日ぼくらが信じた物
「ぼくがアレルギーの原因(当時はアレルゲンという言葉も浸透してなかった)の為に頑張ったのも、全てはみっちゃんの為なんだからね?」


 恩着せがましい言い方だけど、実際ぼくひとりだったらここまでしなかったのも確かだ。

 これもみっちゃんに贈る気持ちなんだって宣伝しなきゃ。


「ありがとう。あきらくん大好き」



  チュッ



 予想以上のご褒美に、ぼくの身体を電流が駆け抜けていった。

 ほっぺがちょっと濡れた感じがした。さっき迄みっちゃんが飲んでたイチゴ牛乳の匂いと混ざって、なんともいえないリンスの香りが鼻をくすぐった。

キスする時にみっちゃんが握ったぼくの二の腕は、痛くはないのにバットで叩かれたみたいにジンジンしている。

さらさらとそよ風に吹かれる栗色の髪。

木漏れ日を反射して煌めく白い肌。


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