あの日ぼくらが信じた物
 目がみっちゃんを追い、鼻はみっちゃんを求める。皮膚に到っては、細胞ひとつひとつ迄がみっちゃんの気配を感じようと研ぎ澄まされている。

 その時、ぼくの五感はひとつになっていた。


「あきらくん」


「……」


「ねぇ、あきらくぅん」


「……」


 ぼくはただ呆然とそのサクランボの唇を見詰めるしか出来なかったんだ。

 そして身体に異変が起きた。

 ぼくのオチンチンはパンツの中でカチコチになっていて、真っ直ぐ立っているのもやっとだった。目に入ってくるのはみっちゃんのうなじだったり短いスカートから覗いているフトモモだったり、ブラウスの継ぎ目から見える純白のシュミーズだったりして……。

 駄目だ。これ以上みっちゃんを見たらいけない。

 ぼくはあとから溢れ出す快くも切ない衝動に、自ら緊急ブレーキを掛けていた。


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