あの日ぼくらが信じた物
 翌朝からとんでもない事がぼくを襲っていた。ふんわりとしていい匂いのする夢が覚めたまどろみの中、ぼくは下半身が冷たい事に気付いたんだ。

 ヤバイ! こんな年してオネショしちゃった!

 しかし慌てて探ったお尻の下は、全くと言っていい程濡れていない。

 オシッコが少し出ちゃったのかな。

 もぞもぞと布団の中を確認する。パンツの前が濡れていて、既に乾いている所はなんだか糊が効いたみたいにゴワゴワしていた。

 それに何だろう、炊きたてのご飯みたいな臭いだ。

 ぼくは何だかとんでもない事をしでかしてしまったような気がして、慌てて残った湿り気を雑巾で拭いていた。



そして───────



「お、おはようみっちゃん」


「あきらくんおはよう!」


< 84 / 236 >

この作品をシェア

pagetop