あの日ぼくらが信じた物
「解ってるよ」


「マーガリンの事は2人だけしか知らないんだからね?」


 なんだよ、そっちか。みっちゃんと『いけない秘密』を共有しているという妖しさに、またカチコチになる所だった。



そして放課後───────



「マーガリン!」


 だけどいつもの森にやってきたぼくたちは、マーガリン邸の異変に気付いた。

 外敵避けにめぐらせた囲いは倒れ、小屋も無惨に潰れている。勿論全く何の気配もしなかった。


「マーガリン! マーガリン?」


 狼狽ウロタエえながら走り出すみっちゃんとぼくがその後見た物は、地面に落ちている首輪とどす黒く光る血痕のようなシミ。


「マーガリン、犬にでも襲われちゃったのかな」


「あ、あ、あきだぐんやべでよぉぉぉ。バーガリン死んでだんかだいよぉぉぉ」


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