彼の瞳に独占されています
淳一には気を遣わなさすぎて、良いところより、悪いところの方が多く見せている気がする。彼はもはや、男友達と同じ感覚で私と接しているかもしれない。
だから、今さら女らしくして引かれないだろうか……なんて些細な心配もあったりするのだ。
泡が消えてしまったカフェラテをぼんやり見つめる私の耳に、独り言のような言葉が届く。
「すべてを見せられる相手なんて、僕は羨ましいけどな」
顔を上げると、私と同じように、揺れる黒い液体を眺める永瀬さんがいる。
「彼の前で見せる無邪気な笑顔とか、冗談を言い合ってふくれっつらしてるとことか……。まだ僕に向けられたことのない君の表情、全部僕のものにしたくてたまらなかった」
瞳には憂いを帯び、口元だけで微笑みを作る彼の言葉は、私の胸をぎゅっと締めつける。
しかし、コーヒーをごくりと飲み込んだ彼は、想いを断ち切るように明るめの声色で言う。
「お互いに素をさらけ出せる相手に会えるのって、そうあることじゃないと思うんだ。だから、大切にしなよ」
辛いはずなのに、私の背中を押してくれる永瀬さんには、感謝してもしきれない。
でも彼の言う通り、淳一みたいな相手がいることは、とても素敵なことなんだよね。
だから、今さら女らしくして引かれないだろうか……なんて些細な心配もあったりするのだ。
泡が消えてしまったカフェラテをぼんやり見つめる私の耳に、独り言のような言葉が届く。
「すべてを見せられる相手なんて、僕は羨ましいけどな」
顔を上げると、私と同じように、揺れる黒い液体を眺める永瀬さんがいる。
「彼の前で見せる無邪気な笑顔とか、冗談を言い合ってふくれっつらしてるとことか……。まだ僕に向けられたことのない君の表情、全部僕のものにしたくてたまらなかった」
瞳には憂いを帯び、口元だけで微笑みを作る彼の言葉は、私の胸をぎゅっと締めつける。
しかし、コーヒーをごくりと飲み込んだ彼は、想いを断ち切るように明るめの声色で言う。
「お互いに素をさらけ出せる相手に会えるのって、そうあることじゃないと思うんだ。だから、大切にしなよ」
辛いはずなのに、私の背中を押してくれる永瀬さんには、感謝してもしきれない。
でも彼の言う通り、淳一みたいな相手がいることは、とても素敵なことなんだよね。