毛づくろう猫の道しるべ
 だけど、同じく近江君も色んな女の子とデートしていると知って、カウンターパンチを食らった気分になった。

 だから自由を強調したのかと顔を歪ませて納得した。

 これでは金髪の青い目の彼女ができていてもおかしくない。


 近江君のその先の道はどこを向いているのだろう。

 私はブンジの写真を見つめ、ため息を吐いた。


 櫻井さんからの情報では、近江君は7月に戻ってくることになっていた。

 櫻井さんは少し旅行を楽しんでから帰ってくるらしい。

 七月のいつ戻ってくるのだろうか。

 カレンダーを見てはドキドキとしてしまった。


 そして七月。夏の風物詩の蝉の声が煩く鳴き出し、梅雨明け宣言もまじかになったとき、期末試験が始まった。

 寝不足の日々が続き、必死になって受ける。

 最終日の試験が終わった時は、気が抜けて溶けていきそうだった。

 それぞれが「終わった」と叫んでいる。

 今日はゆっくり寝られると私もほっとして、そしてこの暑さにだらけていた。

 帰り支度をしているところに数人が集まってきた。

「千咲都、今からカラオケ行くけど、一緒に行かない?」

 私は疲れていたので「また今度」と断った。

 外の天気はとてもいい。

 青空が広がり、ギラギラと太陽が照っていた。

 下駄箱で靴を履き替えた後、外に出れば眩しくて目を細めてしまう。

 強い日差し、じりじりとする照りを肌に感じ、ふっと熱いと息を洩らした。

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