彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)


正直、学校をやめたい気持ちでいっぱいですが、親の命令で入った高校。

今だに相談もできず、前よりは少しましになったので、様子をうかがっているところです。



(とはいえ、あのくそ女に良い顔させとくのは我慢ならない・・・・!)



あまりの無茶振りに、もう一人の自分が出てきそう。




(凛道蓮モードになりそう・・・・!)



もちろん、そんなことはできない。

私がヤンキーで、男装してることは、誰にも言ってない秘密。

だから今日も、自分をなだめつつ考える。



(本当にどうしよう・・・)



深刻な、いじめ問題について。



(こっちは1人で、あっちは全校生徒。みんな渕上に味方して、うその証言とか平気で言い始めるし・・・)



お弁当を鯉の池に投げ込んだのも私じゃない。

ホント、いい加減にしてほしい。




「菅原さん。」



廊下をトボトボと歩いていたら、呼び止められた。




「菅原さん、今、いいかしら?」

「後藤先生。」




声をかけてきたのは、1年生の世界史担当の後藤先生。

私のクラスは受け持ちじゃないので、どんな人かあまり知らないけど・・・・




「体調は大丈夫?お腹や太ももの痛みは良い?」

「は、はい!平気です。」



前に、職員室でダウンした時に助けてくれた優しい人だ。

私の返事にホッとした様子で後藤先生が笑う。



「よかった。ずっと、気になっていたから。」

「ご心配おかけしてすみません。大丈夫です。」

「それならいいけど・・・ねぇ、クラスのお友達とは仲良くしてる?」


(またか。)




渕上の演技に騙され、何人かの先生がこんな感じで聞いてくる。



(渕上にあやまれって、わけわかんないこと言うのよね。)



悪役にされてる私が、いつも怒られる。




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