彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
愛しい人からの保護に、違った意味で酔っていく。
(・・・今なら甘えても、冗談で誤魔化せるかな・・・?)
心の中で悪魔がささやく。
「瑞希お兄ちゃ~ん♪」
「お?なんだ、どうした~凛?」
試してみる。
乗せた頭を、押し付けるように膝にグリグリする。
「こら!車酔いしてる奴が、頭ゆらすんじゃねぇーよ。」
「えへへへ~もう治ったモーン。」
「こーら、良い子だから、大人しくしろって~」
彼はニコニコしながら、私を大人しくさせようとする。
(よっしゃ!お兄ちゃん怒らない!)
「大人しいモーン♪お兄ちゃん、瑞希お兄ちゃ~ん♪」
「どこがだよ~?たくっ、甘えん坊だな~?」
確信を持ってすり寄れば、私の背中をなでながら答えてくれた。
(いける!これいけるよ、お母さん!このまま、瑞希お兄ちゃんにボディータッチを―――――――――!!)
たくらんだんですが。
「順調にブラコンをしているな?」
「ふっああああああああ!?」
幸せモードでいたら、逆さ向きの眼鏡の先輩が再登場した。
〔★伊織が現れた、凛の計画は失敗した★〕
眼鏡の先輩の声に、上半身だけ起こす。
というか、飛び起きた私。
「ししし、獅子島さん!?」
「なんだ、浮気がばれた男のマネか?」
口から心臓が飛び出そうな勢いで名前を呼べば、フンと鼻で笑われた。
「まるで、やましいことでもたくらんでいたようだな、凛道?」
「そ、そんなことないです!ないないない!」
(考えてたけど、実行できてないもん!!)
〔★そういう問題ではない★〕