彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「伊織、冗談でもやめろ!凛が薬、飲まないだろう!?」
「むしろ、この状況で、円城寺に対してのコメントをしないお前がどうかしてるぞ。」
「はあ!?あいつが俺と凛のツーショットで怒るかよ!?世話してんのに、邪魔すんなよ!」
「ほほー?誰が薬と水まで運んでやったと思ってるんだ、プリティプリンセス。」
「ケンカ売ってんのか!?性悪のキチガイ!?」
「あ、あの!飲みますから、ケンカしないでください・・・!」
カオスになりかけて、チャンスを逃したくないこともあって、口を開ける。
「み、瑞希お兄ちゃん・・・」
「お?飲む気になったか、凛?良い子だな~ほら、あーん!」
「あ、あーん・・・!」
口を開けば、薬を投げ込まれた。
その瞬間、横目に獅子島さんの姿が映る。
(こ、この野郎・・・・・・!!)
彼は、この上ないほど楽しそうな顔で、ニヤニヤしながら私達を見ていた。
その姿でシャッター音も出した。
〔★大河が不幸になる素材が出来た★〕
(くっ・・・・瑞希お兄ちゃんからの『あーん♪』行為を、かみしめる暇もないなんて・・・!)
恥ずかしさ100%で、グラスに口づける。
中の水を飲み込む。
「えらいぞ、凛!苦いのも我慢したな?」
「くっくっ!その薬は苦くないぞ、瑞希?凛道、俺に言うべきことがあるんじゃないか?」
「くっ・・・!」
(お、おのれ~獅子島さんっ!!)
ニヤニヤする元副総長にムカムカしながらも、言うことだけ言った。
「あ、ありがとうございます、獅子島さん・・・!」
「今度から、早い段階で言うように。」
「言うことが、いちいち細かいぞ、伊織。」
いろいろ耐えながら言えば、機嫌よさげに獅子島さんが微笑み、瑞希お兄ちゃんは私の背中をなでてくれた。
そして、下ろした私のバンダナを元に戻しながら瑞希お兄ちゃんは言った。