彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)



「伊織が警官になりたいのは、昔から言ってたことだ。おそらく、警視庁に行くだろう。」

「警視庁・・・」



(国の重要機関だ・・・・)


なにするかも気になったけど。



「なれますか?」



更生した(?)とはいえ、元ヤンキーが警視庁のメンバーになれるのだろうか?

採用されるのかな?

これに瑞希お兄ちゃんは即答した。



「なれるだろう?頭がいいだけじゃねぇから・・・」

「知ってます。今なら、ゴレンジャーのカラーリングの意味がよくわかります。」

「そーくるか?それもあるが・・・聞いてないか?」

「なにをですか?」

「んー・・・知らないなら、伊織に聞きな。伊織の話を、俺がするのはよくないからよ。」

「・・・・はぁ・・・。」



(なにを聞けと??)



笑ってごまかす彼に、何かあるのだろうと思う。

とはいえ、瑞希お兄ちゃんには悪いけど、そのなにかを聞いたりはしない。



(だって、瑞希お兄ちゃん以外は興味ないもの。)



〔★瑞希愛は徹底されている★〕




「悪く思わないでくれよ、凛。伊織も、凛を巻き込まないように最低限をやった結果がこれだからよ。」

「大丈夫ですよ、わかってます。お気になさらないでください。」

「ありがとな。あれで伊織の奴・・・凛に自慢したかったんだよ。」

「え?車をですか?ドライブテクを??」

「ばか!自分のことだよ。前に烈司が占い師だって聞いて、お前すごく烈司に甘えただろう?それで伊織も、羨ましくなったんだぜ。」

「え!?獅子島さんが!!?」



あり得ない。



「ははは!やっぱり気づいてなかったか~」

「え!?僕が、なにをわかっていないと??」

「伊織はさ、凛が思ってる以上に凛を気に入ってるんだぜ。可愛く思ってんだよ。」

「その割には、目だけで脅されましたが・・・?」

「不器用だからな~2代目以来じゃねぇかな・・・あそこまで機嫌良いのは。」

「え?」

「嬉しそうな面しやがって・・・」



そう語る彼は寂しそうな横顔をした。



(また、そんなツラそうな顔して・・・・!)



それだけで、瑞希お兄ちゃんが何を考えてるのかわかった。



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