彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)


「凛・・・親のことでも、学校のことでも、ツラかったら俺に相談しろよ。なんかあったら、頼ればいいからな?」

「頼ります・・・僕が甘えられるのは、瑞希お兄ちゃんだけだよ。」



私の返事に、また悲しそうな目をする瑞希お兄ちゃん。



「凛・・・追いつめられるまで、我慢するタイプかよ?」

「あ・・・・」




そう言いながら、彼の唇が額に触れた。





チュ。


「え・・・?」

(おでこに、チュー・・・・ですか・・・・?)



いつもなら、速攻でテンションが上がるのに上がらない。

目を見開きながら彼を見れば、悪戯小僧のように彼が笑った。




「早く大人になれよ。」

「あっ・・・・」




赤い唇が再び近づく。

私の目元へと迫った時だった。





「おい、上がったぞ。」





獅子島さんがお風呂から戻ってきたのは。



〔★LOVEタイムは終わった★〕




「ぎゃああああああああああああ!!?獅子島さん・・・・!?」

「うっ!?い、いいいい、伊織!は、早かったな!?」

「だからといって、大声で出迎えるな。やかましいぞ。」




私と瑞希お兄ちゃんが同時に叫ぶ。

これに獅子島さんは、みけんにしわを寄せる。



「なんだ?俺を見た瞬間に距離を取りおって。瑞希、熱はあったか?」

「ねっ!?熱!?ええ!?」

「違うのか?額を近づけていたので、原始的な方法で、凛道の体温を測っていたんじゃないのか!?」

「「ああ!?そういうこと!?」」



(獅子島さんの位置からだと、額をくっつけてるように見えたのね!?)



〔★瑞希も凛も納得した★〕


「そ、そうなんだ、伊織!凛の体温が高そうだから~」

「は、はい!計ってもらいましたー!」

「子供の体温が高いのは常識だろう?早く出てきてやったというのに、くだらんことをしおって・・・」



不機嫌そうに言う彼の髪は、湿っていた。

水分はしっかり抜けていたが、髪を洗ったことは十分わかった。



〔★ただし、かわかしてはいない★〕



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