彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
「凛道、交代だ。浴室へ行け。」
「は、はい・・・!」
瑞希お兄ちゃんの膝の上で首を縦に振る。
チラッと瑞希お兄ちゃんを見れば、頬を染めて視線を泳がせていた。
(・・・・さっきのチュー、意識してしたわけじゃないかも・・・・?)
だから、私を見ようとしないのかな・・・?
そう思える態度に、気まずくも嬉しくなる。
名残惜しかったけど、瑞希お兄ちゃんの膝から頭を上げる。
「お、お兄ちゃん、膝ありがとう。おかげで、楽になれました・・・」
「え!?そ、そうか!?それならいいけど~・・・」
照れながら言う瑞希お兄ちゃんに気分がよくなる。
(なんか・・・私を意識してくれてるのかな・・・?えへへへ!もしそうなら、両思いも夢じゃない!?)
〔★そうなれば、ボーイズラブだ★〕
障害の多い恋に、前向きな光(!?)が見えてホッとする
薬が効いたのか、フラフラしない。
晴れやかな気持ちで立ち上がった時、後ろから声をかけられた。
「り、凛!」
「は、はい?」
「その・・・・シャンプーもボディーソープも好きなのを使っていいからな。」
「好きな物?」
「ほら、ここは俺を入れて5人も住んでるから・・・5種類・・・」
「あ、そういうことですか?」
「そういうことだ。各自の名前も書いてあるが、俺のを使っても今回は許してやろう。」
「伊織、お前にしては珍しいな?」
「ふん・・・親切の延長だ。」
「へぇ~だってよ、凛!」
「わかりました!それでは、瑞希お兄ちゃんのをお借りしますね。」
「その流れで俺の使うの!?」
「だって、僕は瑞希お兄ちゃんが~」
ガシッ!!
「俺のを使っても、許してやると言ってるんだが・・・?」
「す、すみません!獅子島さんのもお借りします・・・!」
笑顔で拒否しようとしたら、胸倉をつかまれて見下された。
睨みつけるじゃなくて、冷たい目ですごまれる。
それもあって、平和的な返事をした。
〔★親切の押し売りだった★〕