イケメン伯爵の契約結婚事情
「いやいや、女性をもてなすことは男にとって一番の仕事だ。私の領地でとれる極上のお茶がある。今度ぜひごちそうしよう」
「まあ、ありがとうございます。では奥様もぜひ一緒に」
「妻は、領地の屋敷にこもりきりでね。人嫌いだから気にしなくていい。私も、たまには若いお嬢さんとゆっくりお話したいものだ」
「そうですか。では今度奥様に贈り物をさせてください。フリード様のおばさまですもの。私仲良くなりたいです。それと」
エミーリアはうつむき、恥じらうそぶりを見せる。
「それに、アルベルト様とふたりきりでは緊張してしまいます。よかったら今度一緒に晩餐をとりませんか? いつもフリード様とふたりでは寂しいですもの」
「……そうだな。予定を調整してみよう。ではまた」
いくら言ってもふたりきりにはなろうとしないエミーリアにしびれを切らしたように、アルベルトは書庫から出た。いなくなると、ふっと気が緩んでエミーリアは本棚にもたれかかる。
「お嬢様、大丈夫ですか?」
「会話上手ね。切り返すのに苦労したわ」
「お部屋に戻りましょう」
書庫を出て戻りがてら、エミーリアは窓の外にカールの姿を見つける。
遠くに馬車もみえるところを見ると、食料が運び込まれたところなのだろう。