奏 〜Fantasia for piano〜
奏と一緒に気まずいお昼を食べた日から、二週間ほどが経っていた。
九月末には文化祭があり、文化祭係に立候補した私は今、黒板前に立っている。
「ということで、模擬店はカフェに決まりました。後は内装の雰囲気を今、決めてしまいたいんですけど」
帰りのホームルームの時間を利用して、少しずつ準備を進めていかないと。
内装の案を求めると、南フランス風がいいとか、ニューヨークスタイルがいいとか、幾つか意見が寄せられる。
でも、全て却下。
そんな予算がどこにあるのか。
場所はこの教室で、椅子や机もこのまま使うのに、凝ったものや立派なものを目指すとかえって安っぽい仕上がりに見えてしまう。
もっと現実的で無難な意見を……。
クラスのみんなは前向きだ。
受験勉強もしなくてはならないのに、高校生活最後の文化祭だから、これだけは目一杯楽しみたいという気持ちが伝わってくる。
色々な意見が上がっては、予算や時間的に無理だと消され、なかなか決まらずにホームルーム終了の時間となってしまった。