奏 〜Fantasia for piano〜

「今日決めないと、困るんだけど……。
奏、なにかアイディアはない?」


活発な話し合いをしてくれるクラスメイトの中で、奏ひとりだけが無関心さを露わにしていた。

ずっと窓の方を向いて、流れる雲でも見ているのか……。

だからあえて名指しして、意見を求めてみた。


文化祭係に立候補したのも奏を巻き込もうと企んでいるからで、夢を失い冷めてしまった彼を温めたいのだ。

本当は少しでもピアノを弾いてくれたらと思うけど、この前きつく非難されてしまった。

奏のために私ができることってなんだろうと悩んだけど、これだ!という答えは出ず、取り敢えず目先にある文化祭に奏を巻き込んでやろうと思いついた。


たぶん奏は、準備に参加する気はないのだろう。

もしかすると、当日欠席するつもりだったりして……。

でも、そんなことはさせない。

奏を巻き込んで、楽しませてみせるんだから。


私に名指しされた奏は、嫌そうな顔をした。

けれど、無視はしないで、ちゃんと答えてくれる。


「限りある予算で見栄えのいい内装にしたいなら、色で統一したら?

例えば、青いカフェ。数種類の青い紙を壁にタイル張りして、机には青いテーブルクロスをかける。窓ガラスに青いセロファンを貼れば、採光も青になる。

高校生の模擬店なら、これくらいが妥当だと思うけど」


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