奏 〜Fantasia for piano〜

青いカフェ……。

「それ、いい!」と声を上げたのは、私だけじゃなかった。

店名も『ブルーカフェ』に決まり、今日の話し合いは終了となる。


ぴったりなアイディアをくれた奏に近寄り「ありがとう!」と笑顔を向けたら、「頑張って」と素っ気なく言われ、奏は一番先に教室を出て帰っていった。

頑張ってって……奏も一緒に頑張るんだよ。

頬を膨らませてドアを見つめていたら、梨奈に頬を突かれた。


「よかったね、意見を言ってもらえて。
これで香月くんも、参加したことになるんじゃない?」

「まだまだだよ。もっと巻き込んでみせる。
そして最後には、楽しかったって言わせてみせる!」

「綾が熱い……。
いいと思うけど、燃え尽きないようにね。受験生だし」


燃え尽きたっていいよ。奏に火をつけられるのなら。

受験なんてどうでも……よくないけど、奏をなんとかしたいという想いが膨らんで止められない。

卒業までのタイムリミットを意識するせいなのか、焦っているのかもしれない。


奏は夏休み後もアコールでバイトを続けている。

今日もこれからアコールに向かうのだろう。

そして私も後を追って、アコールへ。

迷惑がられたって、負けないんだから。


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