恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


カレンダーに取引先の会社名が書いてあり、日付のところに×が付けてある。

「なに、これ?」

佐野君のスケジュールじゃん。

「この日は、会社にいないから。作ってもらっても食べられないだろう?
×が付いてなければ、いつでもOKだ。
メニューはなんでもいい、任せる。じゃあこれ頼む」

指で示しながら、丁寧に説明してくれる。

さすがわが社の営業部のエース。

にこやかに笑って、無理難題を断れないように押し付けてくる。

まずい。佐野君のペースだ。


私は、そんなもの受け取るかと拒否しなきゃ。

私は、言うべきことを頭の中で繰り返す。

さあ、なんとでも言ってきてと身構えてたのに。

なんと彼は、プリントアウトした紙を、無言で私のランチバッグにねじ込んだ。

な、何するんですか?


私は慌てて、佐野君がバッグに入れた紙を取り出し広げて見た。

なんだ、これ。

「スケジュールって……
結構お弁当作る日、多いじゃないですか」

「楽しみにしてる」彼は、ちらっと時計を見る。

「ああ、ごめん和泉。もう、こんな時間だ。俺、行かなきゃ。じゃあな」

佐野君はコートと鞄を持って、私に手を振るとオフィスを出て行った。


「じゃあなってなによ。本当に人の意見聞かないんだから」

結局、お弁当作る約束しちゃったことになるの?

彼氏でもない人のお弁当なんて。

どうして、断らなかったのよ。


ああ、もう。私の断り切れない性格が悪い。

何やってるんだろう。



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