恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
「営業の佐野君の出張申請書って、これ、前もって申請されてないよね?」
「そうですが、何か?」きょとんとする彼女。
「じゃあ、受け付けられないよ」彼女には悪いがピシっと言う。
「えっと、でも……
佐野さん、ちゃんと帰社後に「出張旅費精算書」に支出明細を書いてもらって、領収証添付してもらって、責任者の承認もらってますよ」
そうだね。そこはあってるけど。
「いや、だからその前の話。
出張の申請は、前もって佐野君の上司に「出張指示書」を書いてもらうよね。
書いてもらったら、責任者の承認をもらうでしょう?
それを経理で受け取ってから、出張旅費の前払金払う手順だけど」
「そうでしたっけ?」
「そうです。何度もそういうふうに説明されてると思うけど」
恨めしそうに、こっちを見返してくる美沙ちゃん。
睨んだって駄目だから。
営業は、経費を認めてもらうためなら、お世辞なんていくらでもい言うし。
迷ったとこ見せたら、断りにくくなる。
「佐野さんの申請だってどうしてわかるんですか?」
私は、一呼吸置いてから言う。
「先に、私が佐野君に却下したから」
美沙ちゃんが怒ってるのか、泣いてるのかどっちか分からなくなった。
もう。そんな顔するなって。
私が、いじめてるみたいじゃないの。
「わかった。もう、いいから。佐野君には、私から説明しとくから」
だから、そんなにおっかない顔をしないで。
ああ……
余計な仕事が増えてしまった。
しかも、佐野君相手に喧嘩しなければならない。