恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
葛城さんが、佐野君から私をかばっててくれた。

間に入ってくれただけでも、気持ちが落ち着いていく。

大丈夫か?

言葉にしなくても、彼が心配してくれてるのが分かる。

「君、経理部の子だよね?何か揉めてるの?少し説明してくれないか?

ここに来たばかりで、事情が分からなくて」

と、声をかけてくれ、私を連れ出してくれた。


佐野君は、それでも納得してないみたいだったけど。

上司に言われて、渋々引き下がった。

「えっと、あの……」

葛城さんは、「こっちに来て」と手招きして、自販機のある休憩所に私を連れて行った。

佐野君も後からついて来ようとしたけれど、葛城さんは一人ずつ聞くからと言って彼を遮った。


椅子に座って、コーヒーを渡してくれた。

彼は隣に座って私の顔をのぞき込んだ。



「大丈夫か?顔色悪いぞ」

「はい」

葛城さん……

私、大丈夫じゃないです。

安心したら、泣きそうになった。
コーヒーのカップを渡してくれる時、ぎゅっと一緒に手も握ってくれた。

カップの温かさよりも、手のぬくもりの方が心地よかった。

心配してくれてたのが伝わってくる。

「怖かっただろう。もう大丈夫だから」

誰も見ていないところで、優しく肩を抱いてくれた。

温かさに強張っていた気持ちが溶けていく。


ずっと緊張してた。

身体に思った以上に力が入っていたのが分かる。


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