恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~


「真梨香。俺が悪かった。この通り、謝るから」

真梨香さんは、大きな黒い瞳が潤ませて言う。

「どうしたっていうの急に。私たちの関係をはっきりさせたいだなんて。
京佑らしくない。私どうしたらいいのか分からない」

首を振って、少し伏し目がちになる。


真梨香さん、目を潤ませている。

流れて来る涙も完璧だ。

どうやったら、狙ったようにあんな仕草できるんだろう。

「あの……」本当に気まずいんですが。

「待って、和泉」引き留められた。

ああ、葛城さんどうするの?

慰めてあげるのかな。

ここは、しっかり抱きしめてあげるところだけど。

私、邪魔ものだ。


そうなったら、引き留められても無理やり出て行こう。

何でこんなことまで、私が付き合わなければいけないのだ?


潤んだ眼をしっかり彼に向けて、口元をかすかに開ける。

そうすると、彼女の好きな人の本心が、つかめずに困っているように見える。


真梨香さんは、形だけの婚約破棄を望んでないのか。

というより、彼女にとって婚約は形だけじゃないって事?

けれど、葛城さんの方はそうではないのか。


私、どうしたらいいの?

どっちの味方したらいい?

なんか、間に挟まれてしまった。微妙な立場。

どうにもできない立場にいる。

< 90 / 267 >

この作品をシェア

pagetop