ロストマーブルズ
「どうしたの? ジョーイ」
「しーっ!」

 リルに黙るように命令し、眞子とギーの様子をそーっと伺った。

 リルも訳がわからないまま、そろりと覗き込む。

「あの車の中にいる男、日本人じゃないね。白鷺先生、昨日も携帯で誰かと英語で話してたけど、相手はあの人だったのかな」

「その時どんなことを話していたか思い出せるか?」

「ジョーイの名前を言ってたと思う。それからトニーの名前、そんなぐらいしかわからなかった」

「俺とトニーの話をしてたって事は、相手はギーって可能性も否定できない。すると白鷺先生はFBI側の人間なのか。それでキノを敵視する理由も納得がいくかもしれない」

 トニーと仲良くして家に上がりこんだのも、何らかの情報を得るためだと考えれば辻褄が合った。

「ジョーイ、一体何を言ってるの?」

 リルの前だったと、ジョーイははっとして口ごもった。
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