伯爵と雇われ花嫁の偽装婚約
「いつもと違っていて、当然でございます。クレア様に合わせて作られた、世界でたった一着のドレスですから」
クレアの美しさにうっとりと目を細めながら、ジュディは答えた。
「それは分かっているけど……そうじゃなくて、こんなに首周りが開いていて……変じゃない……?」
「いいえ、少しも。舞踏会などの、夜のお出掛けのためのドレスですから。これでも控えめな方ですよ」
この屋敷に来てすぐ、仕立て屋に採寸してもらって頼んだドレスの内の一着だ。作ったものの、着る機会が無かったのた。
これまでクレアはもう少し開きの浅い仕様のドレスしか着たことがなかったので、首周りの広いドレスに初めて袖を通して不安になっていた。
だが、ジュディの言葉でコールドウィン公爵家の舞踏会を思い出す。確かにあの時、深く胸元の開いたドレスで着飾っていた貴婦人や令嬢を見た。クレアを見ても、誰も露出が激しいとは思わないだろう。
……大丈夫……よね……。
「クレア様はとてもお美しくていらっしゃるので、旦那様も絶対にお誉め下さいますよ」
「……ありがとう……」
美しいかどうかはさておき、ジュディの言葉にクレアは励まされ、少し自信を取り戻した。
しばらくすると、ライルの支度が整ったことを別のメイドが知らせに来た。クレアは桃色のレースで編まれた手袋をはめると、部屋から廊下へと出た。ジュディが後ろから続く。
階段を下りようとして、クレアは足を止めた。
踊り場に、上質の黒いタキシードを着たライルが立っている。
凛とした、気品漂うその姿に、クレアは初めて会った時のことを思い出して、我を忘れて思わず見とれた。
クレアの美しさにうっとりと目を細めながら、ジュディは答えた。
「それは分かっているけど……そうじゃなくて、こんなに首周りが開いていて……変じゃない……?」
「いいえ、少しも。舞踏会などの、夜のお出掛けのためのドレスですから。これでも控えめな方ですよ」
この屋敷に来てすぐ、仕立て屋に採寸してもらって頼んだドレスの内の一着だ。作ったものの、着る機会が無かったのた。
これまでクレアはもう少し開きの浅い仕様のドレスしか着たことがなかったので、首周りの広いドレスに初めて袖を通して不安になっていた。
だが、ジュディの言葉でコールドウィン公爵家の舞踏会を思い出す。確かにあの時、深く胸元の開いたドレスで着飾っていた貴婦人や令嬢を見た。クレアを見ても、誰も露出が激しいとは思わないだろう。
……大丈夫……よね……。
「クレア様はとてもお美しくていらっしゃるので、旦那様も絶対にお誉め下さいますよ」
「……ありがとう……」
美しいかどうかはさておき、ジュディの言葉にクレアは励まされ、少し自信を取り戻した。
しばらくすると、ライルの支度が整ったことを別のメイドが知らせに来た。クレアは桃色のレースで編まれた手袋をはめると、部屋から廊下へと出た。ジュディが後ろから続く。
階段を下りようとして、クレアは足を止めた。
踊り場に、上質の黒いタキシードを着たライルが立っている。
凛とした、気品漂うその姿に、クレアは初めて会った時のことを思い出して、我を忘れて思わず見とれた。