伯爵と雇われ花嫁の偽装婚約
これから、店に出る時の取り決めもした。
ブラッドフォード家の馬車で、ジュディと一緒に乗り、近くの通りで降りる。そして、クレアが店に無事に入るのをジュディが見届ける。
クレアはアディンセル家にいた時と同じように、自力で馬車を拾って行く、と主張したが、大事な婚約者に道中何かあっては取り返しのつかないことになる、とライルが頑なに拒否した。
代わりに、四頭立ての目立つような馬車ではなく、地味な小さめの馬車にしてもらうことで折り合いが付いた。
そして、帰りの時間を見計らって、ジュディが馬車で迎えに来る。
服装はさすがにドレスというわけにはいかないので、これまで通り、通常の服で行くことになったが、数が極端に少ないのをライルが懸念して、普通の生地で何着か仕立屋に追加の依頼をした。
「ねえ、ジュディ。髪型はこれまで通り、三つ編みにしようと思うんだけど」
「勿体ない気も致しますね。クレア様は髪を下ろしていらっしゃってもお似合いだと思いますけど……」
「でも、急な変化があるとお客さんから何かあったのか、って詮索されちゃうかもしれないでしょ? これまで通りがやりやすくていいわ」
すると、その会話を聞いていたライルが近くに寄ってきた。
「そうだね、俺も今まで通りがいいと思うよ」
「そうですよね」
と、賛同してくれたことを喜んでいると、
「クレアの本来の姿を見たら他の男達が近付いてくるかもしれないだろう? そうなったら、俺は全員を叩きのめさなきゃいけなくなる。君の魅力を知っているのは俺だけでいい」
ライルがクレアの肩を抱き寄せて、顔を覗き込むようにして言った。
ブラッドフォード家の馬車で、ジュディと一緒に乗り、近くの通りで降りる。そして、クレアが店に無事に入るのをジュディが見届ける。
クレアはアディンセル家にいた時と同じように、自力で馬車を拾って行く、と主張したが、大事な婚約者に道中何かあっては取り返しのつかないことになる、とライルが頑なに拒否した。
代わりに、四頭立ての目立つような馬車ではなく、地味な小さめの馬車にしてもらうことで折り合いが付いた。
そして、帰りの時間を見計らって、ジュディが馬車で迎えに来る。
服装はさすがにドレスというわけにはいかないので、これまで通り、通常の服で行くことになったが、数が極端に少ないのをライルが懸念して、普通の生地で何着か仕立屋に追加の依頼をした。
「ねえ、ジュディ。髪型はこれまで通り、三つ編みにしようと思うんだけど」
「勿体ない気も致しますね。クレア様は髪を下ろしていらっしゃってもお似合いだと思いますけど……」
「でも、急な変化があるとお客さんから何かあったのか、って詮索されちゃうかもしれないでしょ? これまで通りがやりやすくていいわ」
すると、その会話を聞いていたライルが近くに寄ってきた。
「そうだね、俺も今まで通りがいいと思うよ」
「そうですよね」
と、賛同してくれたことを喜んでいると、
「クレアの本来の姿を見たら他の男達が近付いてくるかもしれないだろう? そうなったら、俺は全員を叩きのめさなきゃいけなくなる。君の魅力を知っているのは俺だけでいい」
ライルがクレアの肩を抱き寄せて、顔を覗き込むようにして言った。