溺愛ドクターに求愛されて

「だから、俺は神様に応援してもらえてると思ってるんだけど。ね、沙織。神様の前でもう一回言って」


私は越川先生の顔を見上げる。


そしたら越川先生が優しくて甘い笑顔で私を見つめていて、恥ずかしいから無理です、なんて言えなくなる。


「好き、です。越川先生の事が……好き、んっ」


急に唇を塞がれてびっくりする私を見て、越川先生は嬉しそうに微笑んだ。


「俺も、好き。ねえ、貴船神社で引いたおみくじに沙織のには何て書いてあったの?」


そう聞かれて、私はあの時引いたおみくじに書いてあった事を越川先生に伝える。


「へえ、俺のおみくじには運命の人。沙織のには最善の人、か……。じゃあ、ここで答え合わせしよう」


そう言った越川先生に手を引かれて、二人でおみくじを引く。


私が引いたおみくじはまた大吉で、恋愛の所に書いてある言葉を見て信じられない気持ちで越川先生を見た。


越川先生は驚いている私を見て、自分が引いたおみくじを私に差し出してくる。


「やっぱり沙織は俺の運命の人だ」


差し出されたそのおみくじを見て、私は息を呑んだ。


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