溺愛ドクターに求愛されて

『私達に身を捧げた美しいあの娘と生きたいとお前は願っていたのを忘れたか。
清く生きようと誓ったお前はその誓いも守って死んだ。
あの娘もまたそれを願っていた。あの娘はお前を待っているというのに、お前は諦めるのか』

え、待ってるって……俺の事を?


誰が? あの人が? 俺を待っててくれてる?


『お前の気持ちは、そんなものか。忘れてしまったのか。胸を焦がして想い続けた女の事を』


ああ、そうだ。俺はずっとあの人の事を想っていた。


死ぬ時にも、生まれ変わったらあの人と生きたいとそう願っていた。


ずっと誰かを探しているような、そんな感覚が常に俺の中にあったことを思い出す。


そうだ、俺は……ずっとあの人を探していた。


優しい笑顔が、愛しいその姿が思い浮かんで胸がいっぱいになる。


ああ、会いたいな。あの人に、会いたい。


今度はちゃんと、あの人に俺を選んでほしい。


俺はあの人を愛するために、あの人と生きるためにまたこの世に生まれてきたのだから。


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