にゃおん、とお出迎え


ミネちゃんが通りそうな道を一生懸命追いかける。屋根伝いのあたしのほうが動きが速いみたい。しばらくして、見慣れた後ろ姿を見つけた。

「みゃーおん、みゃーおん」

ミネちゃん。今日は一緒に居てよ。おやすみしてよ。

屋根の上から呼びかけているのがいけないのか、ミネちゃんは気づいてないみたい。
いつものお散歩の時と違ってすっごく速く歩いてる。

そんなに急いで行くほど、お仕事って大事なの? あたし寂しいよ。ミネちゃんと一緒にいたいのに。

「みゃーおん!」

大きな声で呼んだけど。ミネちゃんはたくさんの人と一緒に建物に入っていっちゃった。
デンシャも入っていく。うわあ、この建物ってすっごく大きいんだねぇ。

流石にこれ以上は追いかけられないみたい。駅員さんがあたしを見つけて近寄ってきたから、急いで逃げた。

「みゃー」

悔しい。せっかく追いかけてきたのになぁ。

「にゃお」

その時、あたしの耳をくすぐったのは別の猫の声。

「みゃ?」

「にゃごにゃご」

誰なの? って聞いてみたら、ここですよって返事が来た。
答え間違ってるよう。

キョロキョロ見渡すと、自転車が一杯停まっているところに、薄汚れた黒色の猫が居た。
あたしと同じ色だね。
そう思ったらシンキンカンが湧いてきて、あたしはとことこと近寄る。
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