愛と音の花束を
椎名が案内してくれたのは、同じ商店街にある自然食レストラン。
キラキラすぎず、程よくオシャレなラインは、私の好みだった。
料理は視覚的にも美しく、食べてみれば、じんわり身体に染み入るような美味しさ。
自然と顔がほころんでしまう。
「ん、うまい」
椎名も美味しそうに料理を平らげていく。
また、ぼんやりと、幸せだなぁ、と感じる。
「あの後、歯の調子はどう?」
「おかげさまで痛みはだいぶなくなった。ありがとう」
「よかった。美味しい食事も歯が痛いと美味しく食べられないからね」
椎名は安心したように笑って、そう言った。
一瞬笑顔に魅入られていたことに気づき、慌てて話題を探す。
「石浜さん、すごいね。身体が軽い。重石がとれたみたい」
「よかった。じゃあ、オーダーメイド枕はまた今度にしようか。高いし、合う合わないがあるから、結花ちゃんがよく考えて納得してからにしよう」
「そう? あれから調べてみたけど、一度試してもいいかなって思った」
「結構お値段しちゃうよ。さっきのマッサージだってそれなりの金額だったし」
「そっちが誘ったくせに……」
椎名は苦笑する。
「あの時はあれがベストだと思ったけど、さすがに1日数万円一気に使わせるのはどうかと反省してさ……。俺、あんまり深く考えずに感覚で動いちゃう奴だから、ごめん」
やっぱり何だかんだで繊細な優しさを持ってるんだな、この男は。