愛と音の花束を

メンデルスゾーン作曲 ヴァイオリン協奏曲ホ短調 作品64。

作曲された時代(1838〜1844年)、協奏曲は、オケの長い序奏の後に満を辞してソロが登場、というのが一般的な形式だった。
ところが、メンデルスゾーンの序奏は、たった一小節半。聴く側からしたら、いきなりソロのおいしいメロディを味わえる“とっつきやすい”曲。弾く側からしたら、メジャーな曲だけにどう説得力と個性を出すかが問われる。

クラリネットとファゴットの和音の上に、チェロ・コンバスのピチカート&ティンパニが乗り、ヴァイオリン・ヴィオラが細かい分散主和音で彩る。

さあ、来る!



–––––––‼︎‼︎




弾きながら、全身がゾクゾクっと逆立つ感覚に襲われた。

すっごい……!

お客様はもちろん、私達オケメンバーの心まで鷲掴みにする、美音と歌心と気迫!


努力によって磨かれた『才能』が、華麗な花を咲かせていくのを目の当たりにして、この場に立ち会えることに感謝する。

このヴァイオリニストが花束の主役ならば、私達オケメンバーは、それを引き立てられるよう精一杯いい仕事をしよう。


ソロのパッセージに、オケが相の手を入れること数回。音楽は高潮していき、最初の山を迎える。
この曲でオケの一番の見せ場、
全員フォルテッシモで第1主題!

よし、三神君の気合いに負けてない!

高揚感が溢れて、ステージから客席へと満ちていく。
この感じ、上手くいってるときの手応え。
弾いていてたまらない!
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