愛と音の花束を
ソロが戻ってくると、ここからはカデンツァまでずっと“協奏”していく。


協奏曲を演奏して楽しいことのひとつが、CDでは聴こえないオケパートの発見がたくさんあるところ。

例えば冒頭、みんなソロに釘付けになってあまり気づかれないけれど、ヴァイオリンとヴィオラが裏で細かくタラリラタラタラと延々弾き続ける。報われにくい箇所だけど、そのハーモニー進行の面白さ。
他にも、曲が進むにつれ、
セカンドヴァイオリンとヴィオラがシンコペーションを刻んだり、
低弦が味わいのある旋律を鳴らしたり、
木管がさりげなくソロヴァイオリンと絡んだり、
出番が少ない金管(ホルン2、トランペット2)がここぞとばかりに主張したり。

メンデルスゾーンが彼としては異例の6年の歳月をかけた曲に、やっぱり天才だ、と唸ってしまう。


そうして、三神君がたった1人でオケに対抗したり、先頭に立って引っ張ったり、節目節目で早瀬先生やオケメンバーと目を合わせて寄り添ったりしながら、曲が展開していく。

情熱的な旋律を切々と歌い上げたり、
技巧的なパッセージをキレよくこなしたり、
甘い旋律を優しく囁いたり。

僕の愛はこれだ、という気持ちが強烈に伝わってくる。


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