愛と音の花束を
暁がふと、立ち止まった。
街路樹の下で、私を見つめてくる。
眼鏡の奥の熱のこもった視線と、
ぎゅっと握られた手から、
彼の気持ちはすごく伝わってきて。
直視できずに、目をそらし、うつむく。
定演の後、あんな風に暁に抱かれて泣いてしまったのは、興奮と疲れとショックと再会の感激と、色んな感情の嵐が吹き荒れていたからとはいえ、すべきではなかったと反省している。周りだけでなく、当の本人にも誤解されるような行動だった。
……どうしたらいいんだろう。
ふっと、暁の手が、離れた。
「寒いから、帰ろうか」
そう言った彼の雰囲気からは、もう、情熱が消えていて。
私との間に一線をひいたのが分かった。
彼はプライドが高い。勝算のない告白なんてしない。当たって砕けろなんてことは絶対にしない。理由もきかない。
彼が歩き出し、私は半歩後ろをついていく。
「困ると無口になるところは変わらないね」
暁は前を向いたまま、明るい口調で言った。
ごめん、と謝るのは、彼のプライドを傷つけるだけだと思い、出かけた言葉をぐっと飲み込む。
「また泣きたくなったら頼っておいで。友人として相談にのるから」
「……ありがとう」
大好きだった背中に向かって、感謝の言葉をかける。
彼のような男性と付き合えた私は何て幸せ者なんだろうと思いながら。
その一方で、いろんなタイミングがうまくいかなかった苦さをかみしめながら。
街路樹の下で、私を見つめてくる。
眼鏡の奥の熱のこもった視線と、
ぎゅっと握られた手から、
彼の気持ちはすごく伝わってきて。
直視できずに、目をそらし、うつむく。
定演の後、あんな風に暁に抱かれて泣いてしまったのは、興奮と疲れとショックと再会の感激と、色んな感情の嵐が吹き荒れていたからとはいえ、すべきではなかったと反省している。周りだけでなく、当の本人にも誤解されるような行動だった。
……どうしたらいいんだろう。
ふっと、暁の手が、離れた。
「寒いから、帰ろうか」
そう言った彼の雰囲気からは、もう、情熱が消えていて。
私との間に一線をひいたのが分かった。
彼はプライドが高い。勝算のない告白なんてしない。当たって砕けろなんてことは絶対にしない。理由もきかない。
彼が歩き出し、私は半歩後ろをついていく。
「困ると無口になるところは変わらないね」
暁は前を向いたまま、明るい口調で言った。
ごめん、と謝るのは、彼のプライドを傷つけるだけだと思い、出かけた言葉をぐっと飲み込む。
「また泣きたくなったら頼っておいで。友人として相談にのるから」
「……ありがとう」
大好きだった背中に向かって、感謝の言葉をかける。
彼のような男性と付き合えた私は何て幸せ者なんだろうと思いながら。
その一方で、いろんなタイミングがうまくいかなかった苦さをかみしめながら。