愛と音の花束を
那智も微笑みながらの伴奏。
三神君とのフランクの時と同じく、こんなにピアノ伴奏を気にして聴くのは初めてだ。
ピアノがこの曲にこんな素敵なニュアンスを与えているとは、新発見。

それにしても、2人のピアニストの表現の幅の広さといったら。

動物の動きや鳴き声だけでなく、風景や空気感まで伝えることができるなんて。

……すごいなぁ。

ラスト、チェロが長い音を伸ばす間、ファーストピアノがアルペジオ。テンポをゆらし、余韻を表現しつくす。

最後のセカンドピアノのずらした重音の響きが消えていき……、

少しの間、うっとりとした余韻をステージと客席で共有した後、

真木君が立ち上がった。


……ため息。

いいもの聴かせてもらった。
これはもう、拍手するでしょう!
みんな同じだったようで、楽章間だけど、拍手が沸き起こった。

真木君はさっきまでの温かい微笑みは何処へやら、ドヤ顔で拍手を受け、軽く会釈をしてから、元の席に戻った。
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