おためしシンデレラ


車の中で莉子の嗚咽だけが低く響く。

時折、三村が手を伸ばして莉子の頭を撫でる。

言葉はないけれど何故かその手に安心する。



暫く車を走らせてから三村が個人病院の駐車場に車を止めた。また抱き上げられて車から降ろされる。


「オレの高校の同級生の医院やから安心しろ。診断書取っといた方がええやろ」


インターフォンを押すと柔らかな女性の声が返ってきて直ぐにドアが開けられた。

「時間外やのに悪いな、桜子」

抱かれたままが恥ずかしくて三村に下ろしてくれと頼むけれど聞こえないフリをされ、そのまま運ばれる。

診察室に入ると三村は待合室に追い出された。

同じ年くらいだろうか、桜子と呼ばれた女性が莉子に親しみやすそうな笑顔を向ける。

どこかで見たような気がするのは気の所為だろうか。

「検査着に着替えましょうか」

そう言って三村のジャケットを取り、その下の引き裂かれたブラウスのことを問いかけることもせず淡々と脱がせてくれ、下着も外し、淡青の検査着を着せてリボンを結んでくれた。
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